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台湾に蔓延する「成型肉」の正体|夜市&朝ご飯が安すぎるのはなぜ?

2020年7月26日




こんにちは、耕平(@HEYinTW)です。

台湾の飯は安くて美味しくて、とっても魅力的!ですよね。
しかし、そのうちいくつかの”安い”モノには「重組肉(日本語は成型肉)」と呼ばれる、肉でない物が混ざったお肉(?)が使われています。夜市の牛排や早餐店のハンバーガーなど、台湾在住の方なら誰しも、そして旅行者の方でも食べたことのある食べ物によく使われています。

最初に行っておきますが、全く違法ではありません。結論から言うと「危険因子は少ない」のですが、知っておくべき事実でもあると思いますので今回はそれをみなさんにお伝えします。

 

「重組肉」が使われる現場

重組肉(以下:成型肉)が使われている場所、レストランは意外とあります。

朝ごはん屋のハンバーガー・蛋餅・サンドイッチなどに入っているあのお肉はもちろん、そして夜市で売ってるサイコロステーキや牛排(ステーキ)、もっというならあの店の「肉羹飯」も「チャーハン」も「牛肉麺」も成型肉が使われているかもしれません。

詳しくはこちらのYouTubeに載っていたニュースから参考してお話しします。さらに噛み砕いてお話ししますので、中国語が分からない方も下記説明をご覧ください。

参考動画:~15分迄

 


 

「成型肉」の正体とは

参考:中天電視 中天調查報告完整版 碎肉還魂術!

成型肉は豚や牛などからなま肉をそぎ取り、または切り落とせなかった「骨周りや内臓のお肉、カット時に出たくず肉等を”いろんなもの”と一緒に混ぜてくっ付けたお肉」です。

“いろんなもの”の中にはカサ増しするための「植物性タンパク」、味や香り・食感を整えるための「ビーフエキス」「調味料」「品質改善剤」、くっ付けるための添加物「リン酸塩」などさまざまな食品添加物が含まれます。身近な例でいうと、日本のスーパーで売られている安価なサイコロステーキ、あれは成型肉です。

 

台湾の”飯”が安すぎる!

物価自体安いというのもありますが、上記に挙げた「成型肉」が蔓延しているのも値段が極端に安い原因のひとつです。

考えてみてください。台湾のスーパーで売られている豚肉や牛肉の値段を見てみると、ぶっちゃけ日本と大差ないと思いませんか?なぜローカル飲食店では料理をあんなに安く提供できるのでしょうか。

その理由の1つが成型肉なんです。市販できない”もったいない”お肉たちをまとめてくっ付けて飲食店へ提供する業者が存在します。(厳密には加工企業と販売企業)
だから我々はあんなに安くお肉を食べられるんですね。

台湾の屋台や朝ごはん屋で食べるお肉は大体成型肉で、(モノにもよるが)その全体の4割がお肉で6割が上記添加物などからなると言われています。

 

日本でも蔓延っている

タイトル的にも台湾のお肉をディスっている風なので、日本でも全然あるということを言っておきます。激安ステーキとか、格安焼肉屋とか、ありますよね。あれは十中八九、成型肉だと思ってください。

元々は、市販できないもったいない部分をどうにかして救いたいということで、科学の力&加工技術の発達により誕生したので、むしろ環境的にも良いことなんです。実は。

ただ、外食文化の台湾では日本よりも「成型肉」に出会う確率は何倍も高いので少し気を配った方が良いということです。

 

「成型肉」の危険性

さて、なぜ「成型肉」に警笛を鳴らすのか。ぶっちゃけ、側近の安全性でいえばさほど恐れることはありません。

 

食品添加物の危険性

参考:中天電視 中天調查報告完整版 碎肉還魂術!

添加物に関していえば(動画内のある業者のように基準値を越える量を使用していないのならば、)きちんと法律規定内の添加物、分量しか使っていないので安全といえば安全です。

成型肉をくっ付けて、保存する役割のある「リン酸塩」と言う添加物もたくさん含まれていますが、成人のリンの耐容上限量は男性・女性とも3000mg/日なので朝・昼・晩と成型肉ステーキを食べない限りまず超えることはないと思ってください。

とはいえ、毎日の多量摂取の積み重ねは肝臓に負担をかけたり「骨粗鬆症」にかかるリスクを高める、との報告もありますので、判断は個人次第ですね。

 

食中毒の危険性

身近な危険性でいうとこちらの方が危険です。

普通のお肉の場合、病原微生物は表面に存在しているので火を通せばほとんど死滅します。だから牛肉は真ん中が赤いレアの状態でも食べることが出来ます。

しかし成型肉の場合、まばらな肉をいろんな工程を経てひとつの肉にしているので、中にも病原微生物がいる可能性が大なんです。きちんと火を通さなければ食中毒になりかねません。

 

成型肉の見分け方

参考:中天電視 中天調查報告完整版 碎肉還魂術!

さて、自分が食べているお肉が「成型肉」かどうかを見分けるのは意外と簡単です。

  • お肉の繊維のつき方が自然かどうか
  • 弾力のある食感

で見分けられます。

成型肉は、明らかにくっ付けた部分があります。肉には繊維があって、同じ方向に伸びているのですが、いろんなお肉を寄せてくっ付けた成型肉の場合、繊維の方向は不規則。だから歯や箸でプチっとちぎれます。
また、植物や卵由来のタンパクでカサ増しされ、添加物でくっ付けてある成型肉は弾力のある食感が特徴です。台湾に在住の方なら、すぐに”どのお肉”のことかわかるんじゃないでしょうか。

ちなみに、最近は「インジェクション」という、お肉を人工的に霜降りにできる技術が発達してきているので見た目では見分けることが難しいものもあります。

 

小話:台湾の飲食店の値段がピンキリな理由

上記動画を見た方はわかると思いますが、台湾の朝ごはん屋は「加工肉を扱う中間業者」からお肉を仕入れています。堂々と取材しないあたり、何か取材ができない理由があるのでしょう。

その業者さんの持っていたカタログには、「成型肉」がピンからキリの値段で書かれています。

会話抜粋:

店主「これ150元にならない?」

業者「150元のが欲しいなら成型肉だよ」

業者「牛肉のものには鶏肉も豚肉も少し入ってる。当たり前だよ。」

参考:中天電視 中天調查報告完整版 碎肉還魂術!

おそらく、植物性タンパクの比率や混在する鶏や豚肉の比率などによってお値段が変わると言うことだと思われます。成型肉にも、良し悪しがあるんですね。飯屋の店主は味や需要を考慮して、欲しい商品を選ぶと言うことです。

『安さには理由がある』

場所を問わず、これに尽きます。

 

その他煽りシリーズまとめ

台湾で親しまれている食を、ちょっと違う切り口で切り込んだ記事を書いています。これを機に、自己の食生活も顧みてもらえたら良いなと思っています。

その他煽りシリーズ

台湾に蔓延する「成型肉」の正体まとめ

ここまでで台湾に限らず、実は日本のレストランでも成型肉は蔓延しているというお話をしてきました。タイトル的に台湾の「食」を煽る文面になっていますが、日本のレストランでも蔓延しているし、マク○ナルドなんて完全に”それ”なので必要以上に怯える必要はないと言うことを言っておきます。

軽くまとめると

  • 成型肉は市販できないくず肉を集めて
  • 植物タンパクや鶏肉などを混ぜてくっ付けた物で
  • 添加物や残留微生物などに、注意すべきだが
  • 特に怯えるほど気を使わなくても良い

ということになります。

ただし、外食文化の台湾ではこの「成型肉」に触れる機会が日本の数倍も多いので食べ過ぎには注意が必要というのが結論です。