【悲報?】肉鬆の正体はエンドウ豆だった!?【台湾の肉でんぶ】
こんにちは。台湾に2度留学経験のある耕平(@HEYinTW)です。
たまには専門に切り込んで「台湾×食」についてちょくちょく書いていこうかなと思います。
さて、「肉鬆」についてのお話です。「にくまつ」と呼んでいる人も多いアレです。
テーマはタイトルに書いてある通りなんですが、誤解を招いてしまうので初めに解説しておきます。全ての肉鬆がエンドウ豆で作られているワケではありません。
今回はタイトルの真相について語っていくとともに、肉鬆について詳しくなってみようと思います。
肉鬆とは
画像引用:黃金香肉乾
まず初めに、肉鬆とは何かから。
台湾通の方はわかっているかと思いますが、上記写真のような「ポロポロした食感が特徴の、お肉の旨みが凝縮されたふりかけ」です。早い話が、桜田麩(でんぶ)の豚肉版です。
台湾ではパンやご飯のほか、様々な料理にふりかけて食べられるソウルフードで甘めのテイストがやみつきになります。豚肉の他にも、鶏肉や魚を使ったものもあります。
肉鬆の正体はエンドウ豆だった⁉︎
台湾のニュースでも時折「肉鬆の原料には豚肉は使われてないよ!エンドウ豆と豚肉エキスだけだよ!」などと言う煽り文句が出回りますが、現地台湾人にもあまり知られていない食事情なんだなと思います。(という僕もタイトルで煽ってますね。)
結論から言ってしまいますと、朝ごはんのお店で取り扱っているような肉鬆は上記の通り、エンドウ豆が主原料となっていることがあります。しかし、スーパーなどで売っているものはこの限りではありません。
これは商品パッケージ裏の成分表示を見ればわかることですので、別に製造側も隠しているワケではないんですね。
それでは肉鬆について少しずつ理解していきましょう。
肉鬆の作り方
肉鬆の作り方(工程)を簡単に説明します。
基本的には豚の後ろ脚、モモ肉を使用します。これはタンパク質が比較的多く繊維質で、脂肪が少ないからですね。長い時間をかけて水分を飛ばしながら調味料・香ばしさを加え、最後に冷却することで旨みを閉じ込めます。
良い豚肉を使えば美味しい肉鬆が作れるという至って簡単な仕組みですね。
ただし、乾燥させる工程があるので1kgのお肉から取れる肉鬆は300~400g程度です。
コストを抑えたい
工程を見てもらうと分かると思いますが、時間がかかる&お肉のコストも高いので普通に考えたらお値段は高くつきます。一般の消費者に美味しく食べてもらうためには、製造コストを下げる必要があります。そこで思いついたのが、豆由来のタンパク質でカサ増しをすること。
さて、エンドウ豆が満を持して登場します。
エンドウ豆はカサ増し用だった
エンドウ豆や大豆に代表される「植物性タンパク」は肉よりも圧倒的に安いので、入れれば入れるほどコストを下げ(利益を上げる)ことができます。つまり、朝ごはんの店で売られているサンドイッチやおにぎり(飯糰)に使われる肉鬆はコストの安いカサ増し製品なんですね。
ぶっちゃけ全ての店がカサ増し肉鬆を使っているかは確かめないとわかりませんが、100%豚肉のみの肉鬆であればそれはまあまあな高級品だと言っても良いでしょう。
「カサ増しは悪」だという声が聞こえてきますが、食品業界では意外と普通だということを強調しておきます。そうでないと、肉鬆を偏見的な目で見る方が多そうなので…。
カサ増しは悪か
ちょっと本題とずれてしまいますが、肉鬆を例に挙げたようにカサ増し肉は加工肉業界では結構普通にあるということに触れておきます。日本の有名ファミレスチェーンで提供されているようなハンバーグだって、植物性タンパクが数十%を占める”混ぜもの”です。
ダイエットや節約術で豆腐と豚肉でハンバーグを作ったりすると思いますが、原理はあれと同じですね。ただし、お肉の割合が少ないと添加物や化学調味料を多めに入れ、旨みや品質を調整することになりますのでやはり印象は良くありません。
そしてこれが、肉鬆の原料が「エンドウ豆と(化学合成された)豚肉エキス」だと言われる所以です。
成分表示を確認すればOK
ここまで読んで肉鬆に対してどんな感情を抱くかは人それぞれだと思いますが、製品パッケージ裏の成分表示を見れば良し悪しを判断できます。
成分表示表は(おそらく)世界共通で、原料容量の多いものから順番に記載されているのでスグにわかります。例えば「豌豆粉」が豚肉よりも前に書かれていたらそれは質の悪い肉鬆であるということですね。
また、質の悪い肉鬆は別で油分を付け足しているので放置されていると底部分にベチャッと脂がたまりやすいのも特徴です。
【質の良い肉鬆】
肉鬆を選ぶ際に気をつけること
肉鬆は肉製品なので、残念ながらお土産として日本に持ち帰ることはできません。もし台湾で肉鬆を選んで買う機会があったら、以下のことを意識してみてください。
- 成分表示で原材料を確認する
- 天然のものを多く使用しているものを選ぶ
- 添加物の量や油分に気を配る
初見じゃ分からないのはしょうがないですが、外食時に鉢合わせる肉鬆たちはエンドウ豆を使用している確率が高いです。
だからと言って別に毛嫌いする必要は全然なくて、添加物量も法律を遵守して作られているはずだし、これが食品加工の賜物ですので安心して食べてくださいね。