HSKとTOCFL、受けるならどちらがおすすめ?【台湾留学/進学】
こんにちは、耕平です。
今回は「HSKとTOCFL、受けるならどちらがおすすめ?」というテーマで話をしていきます。
台湾の大学等に留学するにあたって、中国語能力証明が必要な場面が出てきますよね。
結論から言いますと「今の学習状況による」です。
どういうことなのか、まずは留学の際に必要な点数から見ていきましょう。
ちなみにですが、中国語検定は日本人「のみ」を対象にしたテストなので点数が伸びにくく、おすすめしません。
留学の際に必要な点数
では、実際どのくらいの点数(レベル)があれば台湾の大学に入学できるのでしょうか。
当たり前ですが大学によって異なります。
まずは目指す大学・学部学科を決めましょう。
※学校申請以外で必要な方は飛ばしてください。
自分の目指す学校・学部を設定する
台湾の大学が求める語学要件は大きく分けて4つあります。
- 一定の英語力のみが問われる学部・学科
- 一定の中国語力のみが問われる学部・学科
- 一定の英語力または中国語力どちらかが問われる学部・学科
- 一定の英語力及び中国語力両方が問われる学部・学科
行きたい学校、学部がまだ決まっていない場合は上記を考慮して自分に合った場所を選ぶと良いと思います。詳しくは別の記事にて説明していますのでぜひ参考にしてください。
台湾の大学が求める条件の例
さて、台湾の大学が外国人留学生にどれくらいの中国語能力を求めているのか、実際に見ていきましょう。
台湾大学
・文學院 歷史學系(修士・博士)
CEFR 流利級(C1)相当以上の中国語能力証明
・文學院 人類學系
CEFR 進階級(B1)相当以上の中国語能力証明
※CEFRとは語学力証明に関する国際基準。
その他証明との相関はこちら(中文主要檢測對照表)
中興大学
・農業暨自然資源學院
動物科學系
華語文能力測驗 TOCFL:B1 進階級
漢語水平考試 HSK:5級
その他相当以上の中国語能力証明
・文學院
歷史學系
華語文能力測驗 TOCFE:B2 高階級
漢語水平考試 HSK:6級
その他相当以上の中国語能力証明
上記は例にすぎませんが、学校・学部によってこんなにも要件が違うことがわかります。
TOCFLとHSKの比較
さて、HSKとの難易度の比較をみてみましょう。
こちらは完全にTOCFL日本事務局の公式サイトを参考にさせて頂きます。
※TECC(Test of Communicative Chinese)とは中国語コミュニケーション検定の略で、1000点満点のスコア形式を採用したテストです。
TOCFLとHSK、受けるならどちらがおすすめか
台湾の大学進学などに向けて、TOCFLとHSK、どちらを受けるべきかという質問なんですが…
「現在の学習状況による」としか答えることができません!
TOCFLを能力証明として採用しているところは多く、またTOCFLのみしか受け付けていないところもあります。よって、台湾での活動を考えているのならTOCFLで目標点を目指すのが1番間違いないです。
しかし、これでは困る方もいらっしゃると思うので自分なりに3つのパターンに分けて、まとめてみました。
1. 中国語初心者である場合(ピンインができる程度)
2. すでに中国語(普通話)をある程度学んでいる場合
3. 台湾で中国語学習の経験がある場合
1. 中国語初心者である場合(ピンインができる程度)
中国語をこれから始めようとしている、まだ触りだけしかやっていないという方で台湾の大学留学やワーホリを目指している方は、TOCFLを受けることをおすすめします。
最近では台湾華語(繁体字)を中心に学べる教材やYoutubeなども充実しています。
四声やピンインなど基本的な事を学んだら、TOCFL向けの教材を使って目標点を取るための近道を走りましょう。TOCFL向けの教材も、ピンインが付いているので安心してください。
現地に行った後の吸収も早くなるという点でも意味は十分にあります。
2. すでに中国語(普通話)をある程度学んでいる場合
授業や塾などですでに中国語(普通話、北京語など)を、簡体字で学んでいる場合は、HSKを受けましょう。台湾特有の名詞や言い回しなども随所に出てくるので、HSKで高得点が取れるように勉強する方が効率が良いです。
また、上記の比較を見てもらうと、TOCFLの進階級(B2)の下半分にHSK6級の上半分が掛かってますよね。
つまり、HSKの方が目標のレベルに達しやすいということになります。
例えば
中興大学
・文學院
歷史學系
華語文能力測驗 TOCFL:B2 高階級
漢語水平考試 HSK:6級
その他相当以上の中国語能力証明
この条件を満たしたい場合、HSKで6級を取りに行く方が理論上容易だということです。
ただし、TOCFL 流利級(C1)以上を指定している学部への進学を希望している場合は、対応するHSKの級がないので、TOCFLを受ける必要があります。
また、TOCFLを日本で受けるのであれば、試験前に簡体字も選択することができるので保険として受けることもできます。
3. 台湾で中国語学習の経験がある場合
簡体字で中国語を学んでいたとしても、台湾で数ヶ月の短期プログラムに参加したなど、現地で直接言葉に触れた方はTOCFLを受けることをお勧めします。
少なくとも台湾華語と普通話の発音やアクセント、繁体字の違いに慣れているのであれば、TOCFLのリスニングもリーディングもそんなに苦労しないと思います。
繁体字の多くは、日本人ならどの漢字なのかなんとなく分かります。この先台湾で学ぶことを視野に入れているのなら、TOCFLの勉強をすることで台湾華語の理解レベルもグンとあげることができるでしょう。
勉強法については詳しく解説した記事がありますのでそちらをご覧ください。
HSKとTOCFL、どちらかおすすめ?【まとめ】
「HSK、TOCFL受けるならどちらがおすすめか」というテーマでお話しました。
どちらも中国語の運用能力を測る試験ですので、どちらがいいかと言われると難しいですが大きな違いは簡体字であるか繁体字であるかということです。発音もちょっぴり違いますね。
理論上はHSKの方が簡単ですが、どちらを受けた方がいいのかは自分の学習状況によると思います。
大学によって、どの程度の中国語能力が必要かは変わってくるのでまずは確認しましょう。確認したら、それに向けて最短で合格できる試験や方法を選びましょう。
大学や大学院を申請する場合、現地の台湾人のように学力試験はなく、研究計画書・自伝・推薦状などで総合的に判断されます。
台湾の大学/大学院の申請〜入学、奨学金までを説明したロードマップ記事もありますのでよかったら参考にしてみてください。