TOCFLとは?台湾留学に必要な華語文能力測検(CAT)
こんにちは、耕平(@HEYinTW)です。
台湾へ留学する際に問われる語学要件に、多くの学校がTOCFLを基準として採用しています。
TOCFLとはなんでしょうか?
今回は主に「TOCFLの概要」をお話しするとともに「HSK・中国語検定との比較」について少し触れたいと思います。
TOCFLって何??
TOCFLは、Test of Chinese as Foreign Languageの略称です。
華語文能力測験、台湾華語検定などと呼ばれたりもします。
TOCFLは台湾教育省:國家華語測驗推動工作委員會が実施する中国語非ネイティブ向けの中国語試験で、2003年12月から始まりました。中国語の検定ですが、使用される漢字は繁体字でコンテンツも台湾寄りになっているので、日本での知名度はまだ低く簡体字の検定であるHSKの方が主流なのが現状です。
というのも、TOCFLは台湾で話されている台湾華語(中国語)の運用能力を測る試験であり、その必要性を問われると、とても範囲が狭いからです。
しかし日本でも台湾の学校に進学する人が増えるなど、年々受験者が増えており需要は高まっています。
台湾の多くの大学、奨学金制度において中国語力の参考基準に活用されているので、これから受けようとしている方もぜひこの機会に知っておいてください。
2024年度の開催日程
日本と台湾での2024年度の開催スケジュールを示しておきます。
台湾現地で中国語を勉強する留学生がよく使うので、台湾の試験日程はやはり日本より多くフレキシブルです。開催場所や実施する試験の種類などは公式サイトをご覧ください。
日本のTOCFL試験日程
画像引用:華語文能力試験TOCFL公式サイト
試験日によってはBand Cを実施していない場所もありますので公式HP要確認です。
台湾のTOCFL試験日程
画像引用:國家華語測驗推動工作委員會
※日本で受ける場合は問題文を繁体字か簡体字に設定できるそうです(台湾で受験する場合は不可)
※CATに関しては後ほど説明します
【TOCFL】華語文能力測検の種類とレベル
TOCFLには3種類の試験があります。
- 閱讀&聽力(リスニング&リーディング)
- 口語測驗(スピーキング)
- 寫作測驗(ライティング)
そしてそのそれぞれは3クラス6レベルに分かれています。
- Band A(入門基礎級) A1&A2
- Band B(進階高階級) B1&B2
- Band C(流利精通級) C1&C2
申請する際にBand A, B, Cいずれかをあらかじめ選んで受験します。
少々複雑なので、閱讀&聽力のみ表にまとめてみました。
資格要件などは特に指定がない限り、TOCFLの点数は閱讀&聽力の成績・級を指しているので、スピーキング・ライティングは特別受ける必要はありません。
CAT(TOCFLコンピュータ適応測験)とは
さて、台湾でTOCFL(リスニング&リーディング)を受ける場合は2つの選択肢があります。
1つ目は先ほど紹介した3つのレベル
- Band A(入門基礎級)
- Band B(進階高階級)
- Band C(流利精通級)
から1つ選択して受験する方法です。
レベルによって時間が分かれているので2種同日受験も可能です。
2つ目はCAT(コンピュータ適応測験)と呼ばれるものです。
華語文コンピュータ適応型測験(TOCFL CAT)は、GRE・GMAT・BULATS といった他の検定試験で採用されているものと同じ技術を用い、項目応答理論(item response theory)を基礎としています。この検定試験の特色は、受験者が解答した結果からコンピュータが即座に能力を見積もり、最も適した次の問題を選び出すため、受験者は出願時に試験レベルを選択する必要がないことです。こうした方式により、一般的な検定試験に比べて少ない問題でも、同等の精確性 (accuracy)を確保することができます。
続いて
コンピュータ適応型測験(CAT)は本来、問題数を少なめに抑えつつ、一般的な検定試験と同様の精確さで能力値を見積もれるように設計されています。 なおかつ、成績は受験者それぞれが解答した問題の項目難易度と解答内容の正誤に基づいて計算されるため、解答した問題数の違いが成績計算の結果に影響することは決してありません。
難しいことが書いてありますが「この試験を受ければ、君の中国語がどのレベルなのかコンピュータが判断してくれるよ」ということです。
つまり、申請時に3つのレベルをあらかじめ選択する必要がなく、自分がどのレベルなのかわからない場合にとても有効な受験方法です。しかし、こちらの試験は現在日本では受けることができず台湾でのみ、不定期の開催となっています。 (2024年の試験日程は上記参照)
2023年には日本でも模擬的にCATが行われたので、今後の普及に期待ですね。
僕も実際に受けたことがあるのですが、明らかに難易度の異なる問題が次々に出題されます。
1問答え終わるとその正誤によって次の問題の難易度が変わります。
簡単なものに間違えるとさらに簡単な問題になり、逆に難しい問題に正解するとさらに難しい問題が出されました(感覚ですが)。
もちろん、前の問題に戻って回答することは出来ません。
この試験に対しては対策が難しいのですが、公式はこのように述べています。
この試験方式は、受験者の解答結果に従って、コンピュータシステムが直ちに能力を見積もり、次の問題として最も適切なものを選び出します。更に、一人一人の受験者に出される問題は異なるので、試験時の緊張を減らし、実力を十分に発揮できるようにするためにも、あらかじめ各レベルの出題形式と解答方式を熟知することをお勧めします。
つまり、「レベル別の試験と問題形式は変わらないから、今まで通り対策・勉強していれば大丈夫だよ」ということになります。
…じゃあ安心ですね。
というのもTOCFLの対策参考書はとっても限られています。
TOCFLとTOCFL CATの受験料
日本と台湾の受験料を表にまとめてみました。(2024年5月)
種類 | 日本 | 台湾 | |
聽力閱讀測驗 | 通常試験 |
¥7,500 |
なし |
CAT | 原則なし | NT$2,000 | |
口語測驗 | 通常試験 | なし | NT$1,400 |
寫作測驗 | 通常試験 | なし | NT$1,400 |
CATはレベルの指定をしなくてもいいので、高めに設定されています。
ちなみにNT2,000は日本円にすると9000円くらいです。
HSK、中国語試験との比較
さて、最後にHSKと中国語検定と難易度の比較をみてみましょう。
こちらは完全にTOCFL日本事務局の公式サイトを参考にさせて頂きます。
※TECC(Test of Communicative Chinese)とは中国語コミュニケーション検定の略で、1000点満点のスコア形式を採用したテストです。
表を見ると、1番主流であるHSKと比較してTOCFLの難易度は高く設定されていることが分かります。TOCFLは繁体字・台湾華語の運用能力を測るテストであるため、大学や塾などで簡体字を習ってきた方にとっては、繁体字は慣れないかもしれません。
一体、どっちを受けたらいいの!?
結論から申し上げますと、
どっちでも良い!
のですが、一応僕の意見を別記事にしましたのでよければ参考にしてください。
TOCFL(華語文能力測験)とは?まとめ
今回は「TOCFLとTOCFL CATとは何か」についてお話ししました。
TOCFLのことを知りたくてこの記事にたどりついた方は、もうすでに中国語の勉強を始めていて、さらに台湾で何をしたいかまで決まっているかもしれませんね。
ちなみに僕が日本に居てTOCFLを受けたいと思ったら現地に行ってCATを受けます笑
ネットで誰でも申し込めるので、日にちさえ決まっていれば現地で受けられます。台北であれば場所も難しくありません。
テストはたった数時間なので、ついでに旅行できちゃいます。というより、旅行のついでにTOCFLを受けると行った感じですね笑
取りたいレベルまで明確に決まっていれば、それに向けてテキストを読み込みましょう!