【閲覧歓迎】昆虫食のメリットを本気で語る【デメリットも解説】

2020年3月14日


【閲覧歓迎】昆虫食のメリットを本気で語る【デメリットは?】


こんにちは、耕平(@HEYinTW)です。

昆虫食」について本気で語ってみようと思います。
もしこの記事を読んで「ちょっと気になるな」と思っていただけたら、「初心者にもオススメの昆虫食」を紹介した記事のリンクを最後に載せておきますので是非のぞいてみて下さい。

なお、この記事ではリアルな写真を極力使わないように努めます。それと、この記事は少し長いです。もし時間がないのなら目次から【昆虫食のメリット】だけでも読んで帰ってくださいね、切実に。

 


 

昆虫食の魅力を語る前に -自己紹介-

まずは軽く自己紹介
私は台湾の大学院で食品科学系を専攻しています。今回は「昆虫食」を題材にしていますが、専門とは違います。趣味です。

岐阜県の田舎出身で、イナゴやヘボなどを食べてきた経験から虫に対する抵抗が少ない&そこそこの虫好き&食品科学専攻ということで「昆虫食」というホットな話題を発信してみることにしました。

専門家でもジャーナリストでもないただの虫好きの文章ですが、色々な場所から情報を集めましたので、ここまで読んでくださった方はその勢いで下まで読んでみてください。

 

昆虫食の印象

「昆虫食」と聞いてどう思いますか?
虫は食べられる、ということはなんとなく知っている方が多いでしょう。多くの人は芸人やYoutuberが食べてるような「ゲテモノ」をイメージすると思います。

半分正解ですが、半分間違っています。今や「ゲテモノ」は「スーパーフード」に変わろうとしています。我々はその「変わり目」に生きていることを自覚して下さい。

さて早速ですが「昆虫食」と一概に言っても大きく分けて2種類あります。

  • 文化としての「昆虫食」
  • 食糧難の改善策としての「昆虫食」

文化としての「昆虫食」

日本を含めアジア各国やアフリカ、オーストラリアなどでも虫は食べられています。
実は、世界の約20億人が虫を食生活の一部として取り入れていると言われています。現在の世界人口が約77億人[世界人口推計2019年版]なので、4分の1の人は虫を食べていることになりますね。

彼らは肉や野菜を食べるのと同じようにその「味」や「食感」を楽しんでいて、または生活に欠かせない食料として「虫」を選んで食べてきた歴史・文化があります。

YouTuberがタイの屋台で面白半分で食べたり、芸人が罰ゲームで食べるあの「ゲテモノ」は文化的昆虫食を誇張して取り上げられた「エンタメ」です。僕らはエンターテイメントの一部として「虫を食べる誰か」を見ているだけで、「虫」自体には罪はなく、むしろ嫌われて知名度を上げる「炎上商法」に近い物を感じます。

ぶっちゃけ、昆虫食業界にとっては好都合かもしれません。

 

食糧難の改善策としての「昆虫食」

文化としてではなく、”あえて”虫を食べようとすることです。皆さんは昆虫が食糧難の改善策として注目を浴びていることを知っているでしょうか。

2017年6月の国連の報告書[World Population Prospects 2017]によると世界の人口は毎年約8300万人増加していて、2030年までに86億人、2050年には98億人に達すると推定されるというから驚きです。

つまり、世界が抱える課題の一つに「食糧問題」は必ず出てくるということ。現に栄養不良の人が、全世界に8億人弱いると言われています(2016年調査)。

その解決策として「昆虫食」という分野が注目されてるよ、というワケです。昆虫食のメリットを最大限に生かそうと、世界が動いているのです。時代が進むにつれ科学的根拠が付け加えられて、本当に「昆虫」が世界の食糧問題を救う未来が来るのではないかと私も世界も思っています。

今回は主にこれについて詳しく述べていきたいと思います。

 

昆虫食の注目度

ただの虫好き素人が淡々と昆虫食の魅力を語ってもウソくさいので、巨大な機関の権威性を拝借したいと思います。

 

国連 食糧農業機関(FAO)の発表

昆虫食が注目されるようになったのは、2013年にFAO(Food and Agriculture Organization)が出した報告書がきっかけです。(以下抜粋)

This book assesses the potential of insects as food and feed and gathers existing information and research on edible insects. The assessment is based on the most recent and complete data available from various sources and experts around the world.



The purpose of this book is to bring together for the first time the many opportunities for, and constraints on, using insects as food and feed.

引用:Edible insects Future prospects for food and feed security

この導入部分にはだいたい
この報告書は世界に先駆けて、昆虫の食用・飼料としての情報と可能性を様々なソースや専門家から得た十分なデータを評価しまとめたものだよと書かれていて、FAOのその思惑通り食用昆虫の市場・分野はどんどん盛り上がりを見せました。

FAOはこれ以前にも昆虫食に関する報告書をあげていましたが、この報告書内で昆虫食は多大なるメリットにより世界を救う(変える)といったような趣旨の言葉が世界中の人々に刺さったようです。

この報告書は目次含め200ページにも渡っていて、昆虫の「役割」「食文化」「環境」「人間に対する栄養」「養殖システム」「飼料」「加工」「安全性」「経済」「コミュニケーション」「法律」「将来の展望」など昆虫食に関わるあれこれを網羅しています。

 

アメリカでの研究&商品化

このFAOの発表以前から「昆虫食」の可能性をすでに見出していたアメリカでは”本気”で研究が行われ、現在ではコオロギを原料とするプロテインバーなどが健康食品として注目を浴びています。

EXO
引用:EXO

またEUでは2018年に食用昆虫の取引が自由化されるなど、もう「昆虫食」は世界のトレンドになりつつあるのです。その証拠に、昆虫食の市場はどんどん伸びています。
ロンドンの金融グループBarclaysは2019年のレポートで「食用昆虫の市場は2019年の10億ドルから、2030年までの約10年間で80億ドル規模まで成長する可能性」について公表しました。

アメリカを筆頭に各国が勢力を挙げて研究&商品化に取り組んでいます。冗談ではなく、食事のチョイスに虫が挙がる未来はすぐそこまで来ているのです。

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昆虫食のメリット

今から昆虫食のメリットを書き出してゆきます。大体は先ほどのFAOの報告書から参考しています。

今やそのメリットはヒトに留まらず、ワンちゃん界でも注目されています。
昆虫食は愛犬にもメリットだらけだった【ドッグフード業界に革命】

 

健康的メリット

豊富なタンパク質、良質な脂肪酸や微量栄養素[繊維、銅、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、亜鉛]を含んでいて、肉や魚に代わる栄養補助食品としても活用できる。

高タンパク低脂肪なため、ダイエットにも向いている。

・牛海綿状脳症(BSE)や鳥インフルエンザ(H1N1)のような人間に伝染する動物の病気を伝染する危険度が低い

コオロギと肉、魚の栄養素比較
※コオロギ基準で比較しているので比較対象は偏っています

環境的メリット

・家畜と比べて、メタンなどの温室効果ガスの産生がほとんどない
例:ブタはミルワームの10~100倍多く温室効果ガスを産生

・養殖の際、家畜ほど土地を必要としない

・家畜ほど水を必要としない

飼料変換効率(feed conversion efficiency)、肉変換率(feed-to-meat conversion)が高い
※肉変換率=1キロ太る為に必要なエサの量。
→昆虫肉だと1キロ生産に2キロのエサが必要なのに対し、牛肉を1キロ生産するのには8キロのエサが必要。

各動物ごとの温室効果ガスの生産量比較

【家畜&昆虫の必要土地、飼料、水量の比較】

昆虫食のメリット:土地など

[引用 Dobermann et al.(2017) Opportunities and hurdles of edible insects for food and feed. Nutrition Bulletin]

社会的・経済的メリット

・高飼料変換効率、水も土地も少なくて済む=経済的である

・家畜などと違い飼育が簡単で土地不足や女性、貧困層も参入できる低資本の事業になり得る。

簡単に飼料や食材に加工できる。

これらの多大なるメリットゆえ、「スーパーフード」と称されています。
【高タンパク】コオロギの栄養価がスゴいので解説する

環境と生産性についてのメリットは各昆虫食関連企業も紹介しています。見やすいので一度見てみると良いと思います。

各社の昆虫食の捉え方
EXO [アメリカ]
SIX FOODS [アメリカ]
BugMo [日本, 京都]

ここまで聞いて「昆虫食、確かにすごい」と思ってもらえたら、もう僕の本望は達成できました。
でもやはり、デメリットも少なからず存在します。

 

昆虫食のデメリット

タイトルにも【デメリットも解説】と書きましたが、実は研究段階のお話も多く、期待値を含めればメリットが圧倒的に大きいと個人的には考えています。

【昆虫食のデメリット】

・アレルギーリスク
・残留農薬などのリスク
・完全栄養食ではない
・心理的要因

 

デメリットアレルギーリスク

エビやカニなどに含まれるトロポミオシンというアレルギーを引き起こしやすい物質が昆虫にも含まれている可能性が高いです。
つまり甲殻類に対してアレルギーを持つ人は一般的には食べない方が良い、ということになります。しかし、甲殻類と昆虫間でのアレルギー相関性の有無はまだ断定できません。

今後の研究に期待すべきところです。

[参考文献:Ribeiro JC & Cunha LM (2017) Allergic risks of consuming edible insects: a systematic review. Molecular Nutrition & Food Research.]

 

デメリット残留農薬などのリスク

例えば、外で採集した昆虫を調理して食べたりする場合には農薬に汚染されていないかなどに注意する必要があります。生物濃縮により毒性が強くなっている場合もあります。

昆虫の養殖が一般化されれば防げるリスクですので、「普段畑で虫を取って食べてるよ」という方以外は特に心配する必要はないですね。

 

デメリット③ 完全栄養食ではない

これをデメリットに含めるかどうか迷いましたが、言いたいことは「栄養豊富=完全に栄養を補えるわけではない」ということです。

メリットに栄養価が高いと書いているので、勘違いを生まないように。といった感じですね。
「昆虫食は栄養問題を解決する」と書かれた記事もあるかと思いますが、昆虫だけを食べたとしても栄養価は偏ります。
【高タンパク】コオロギの栄養価がスゴいので解説する

 

デメリット④ 心理的要因

おそらくこれが一番のデメリットかと思います。
いくら昆虫食のメリットが大きいと言えども、虫を見ることさえも苦手な人にとっては食べるなんて絶対にあり得ないでしょう。アメリカで事業が拡大していると言っても、実際受け入れられる人は少数です。

これには多くの研究者・企業が試行錯誤を重ねていて、消費者の心理的抵抗を何とかして減らそうと「虫の姿形を残さず」に、そして「栄養価をそのままに」加工する技術がどんどん発展しています。
昆虫食が高いのはなぜ?|答え:世界が頑張っているから

 

昆虫食:味はどうなのか

栄養価が高いと言えども、そもそも味はどうなのか気になるところだと思います。ぶっちゃけ美味しくなければ食物として成り立ちません。日本含め世界各国で伝統的に食べられている「昆虫食」の起源は基本的に「美味しいから」なんですよね。

昆虫の味についてまとめた文献[2007;楊正澤]によると

  • アリ→「ナッツ」
  • コオロギ→「エビ」
  • カメムシ→「リンゴ」

の様な味がする、という記載があります。パウダー状にして食品の原料として使えれば、味はいくらでも追求できます。

実際、コオロギを使用したプロテインバーやビールなども商品化されています。最近になってようやく味についての研究も進み、科学的に評価されるようになりました。
コオロギせんべいの栄養価を調査!その味と隠されたメッセージとは

 

日本で食べられる昆虫食

実際に岐阜や長野の一部の地域には伝統的に虫を食べる文化が残っています。僕も小さいころにイナゴの佃煮やヘボ(ハチの子)入り朴葉寿司をよく食べていました。

日本の昆虫食
参考:伊那谷ネット

イナゴ」「ハチの子(ヘボ)」「ざざ虫」「蚕のさなぎ」が日本でもよく知られている昆虫食です。珍味として愛好家たちにも親しまれています。

 

世界で食べられる昆虫食

世界に目を向けてみると、食べられている虫は本当に多種多様です。

なんと1900種類以上の昆虫類が食べられているとされ、FAOのレポートによると甲虫類(コガネムシなど)が31%、チョウ・ガ類が18%、ハチ・アリ類が13%と続きます。

世界で食べられている昆虫

近年、日本で売られるようになった昆虫(スナック)のほとんどはタイから輸入しています。
なんとタイには2000以上の昆虫飼育場があるんです

 

まずは食べてみる

昆虫食を食べる

ここまで読んで頂きありがとうございます。これを機に「とりあえず昆虫食は前途ある分野なんだな」と思って頂けているのならすごく嬉しいです。
最後に、ちょっと気になってくれた方に初心者向けの記事を紹介します。

簡単に言うと1度食べてみてということです。ここで紹介する昆虫食は、ムシを丸ごと食べるものではなく昆虫由来のパウダーなどが少量含まれているお菓子などです。

値段もすごく高いわけではないので、トレンドに飛びつくという意味でトライしてみて欲しいのです。
初心者にオススメの昆虫食7選【初心者ってなんだよ】

 

おまけ:昆虫食の未来

「昆虫食」についてその注目度とメリット・デメリットを紹介しましたが、長い目で見ると「昆虫食」は持続可能な食資源として生き残る可能性が高いです。

その理由を簡単に言うと

・倫理的理由/資源効率の観点から家畜(哺乳類の肉)の生産が難しくなる
→人工培養食肉の登場&昆虫食の普及
 
 
・月移住計画が進む
→栄養源、タンパク源として昆虫が選ばれる


もう何十、何百年先の話になりますがこれが事実になる未来が来るかも…いや、来ます。
現に10年も前から宇宙食としてシルクナゲット(カイコのさなぎ)も採用されているし、月移住が始まれば、まずは食べられる生産可能な生物を持ち込むのが妥当でしょう。

月じゃなくても、家で食用昆虫を飼育する人が増えます。安価で持続的運用のできる食物ですからね。

 

昆虫食の魅力を本気で語る -まとめ-

昆虫食の魅力を語る まとめ

いかがでしたでしょうか。

昆虫食の多大なるメリットから、ここ数年で市場は大幅に拡大していて、今後も伸び続けることが予想されます。投資をしている方であれば、頭の片隅に置いておいて損はない情報だと思います。

この記事の内容をまとめてみると、

  • 昆虫食はFAOが推進してから
  • 世界的に研究&商品化が進んで
  • その高栄養価、飼育コストや環境の観点から
  • メリットが大きくデメリットが少ないため
  • 人類の貴重なタンパク源として
  • 今後も十分に発展していく分野である

ということになります。
デメリットの少ない「昆虫食」の世界はまだまだ研究の余地があり、非常に奥が深いです。

刮目せよ!!「昆虫食」の未来!

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昆虫食

Posted by NIKOU