高タンパク!コオロギの栄養価と成分を解説する【昆虫食】
こんにちは、耕平(@HEYinTW)です。
この記事を見に来てくださった方はおそらく
- 昆虫食が流行りだしたけど体にいいの?
- コオロギの栄養価高いって聞いたけどほんと?
- 成分は安全?大丈夫?
- 高タンパク質ならプロテインの代わりになるの?
というような疑問をお持ちだと思います。
今回は昆虫食の王道「コオロギの栄養価がスゴい件」というテーマでタンパク質やその他栄養成分なども徹底解説していきます。
コオロギ含め、昆虫食がどれだけ注目されていて、どれほどのメリットがあるかについては【閲覧歓迎】昆虫食のメリット・デメリットを本気で語るという記事にまとめましたのでそちらをご覧ください。
それでは早速本題へ入っていきます。
コオロギの栄養価
無印良品から「コオロギせんべい」なるものが発売され話題になりました。この商品を通して無印良品はぼくらに伝えたいことがあるんじゃないかと思っています。
コオロギせんべいの栄養価は?値段から見る隠されたメッセージも合わせてご覧ください。
コオロギのタンパク質含有量について
コオロギについて調べた方はお分かりだと思いますが、高タンパクであることはなんとなくご存知だと思います。
こちらの表をご覧ください。
海外の昆虫食企業HP(EXO)によると、コオロギ(粉末)の全体に占めるタンパク質含有率は68%。EAT GRUBのコオロギパウダーは62%でした。
その他コオロギの栄養成分について
コオロギを粉末にしたもののデータです。それぞれの成分を少し説明していきますね。
エネルギー
総エネルギー/カロリー量です。
コオロギの品種や加工法によっても違ってきます。
今回参考にしたEAT GRUBではどのコオロギを使用したかは記載されてませんが、例えば日本の昆虫食企業TAKEOさん販売のコオロギ粉末中のは100gあたり
・イエコオロギ 444kcal
・フタホシコオロギ 551kcal
・ジャマイカンフィールドコオロギ 556kcal
となっています。
→TAKEOのHPでコオロギ粉末をみる
アミノ酸
先ほどタンパク質が豊富だというお話をしましたが、タンパク質は20種類のアミノ酸がたくさん連なった構造をしています。そしてそのうち9種類のアミノ酸を必須アミノ酸といい、体内で合成されづらいため食事から摂取する必要があります。
さらにその9種類のうちバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類を分岐鎖アミノ酸(BCAA)といい、運動時の筋肉でエネルギー源となります。
つまり、タンパク質がどのアミノ酸で構成されているかが健康維持にとても重要だということです。コオロギタンパク質は、上記必須アミノ酸9種類全てが豊富に含まれているタンパク源だと言われているんです。(参考:Eat Grub INSECTS FOR ATHLETES – A NUTRITION OVERVIEW)
脂質
脂質の内訳として、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸と分けて書かれていますが、覚えていただきたいのが少し下に書かれている「オメガ3」「オメガ6」という脂肪酸です。
オメガ3, 6脂肪酸を分けて書いていますが、両方とも多価不飽和脂肪酸になります。
これは「必須脂肪酸」とも呼ばれ、体内で合成できないものです。えごま油や青魚のEPA、DHAもこれに当たります。
炭水化物
主に糖質と食物繊維ですね。
特に食物繊維の含有量は多く、コオロギが持つキチンが由来です。
キチンはエビや貝類にも含まれてますので、恐れる必要はありませんがアレルギーの原因になりますのでエビやカニなど甲殻類アレルギーのある方は食べないでください。
ビタミンB12
豚肉や貝類にもよく含まれてい流成分で、神経および血液細胞を健康に保ち、細胞のDNAの生成を助ける栄養素と言われています。
カルシウム
説明するまでもないと思いますが、体が強い骨を作り維持するために必要な成分です。
また、心臓、筋肉、神経が適切に機能するためにも必要なので、筋トレや健康維持には不可欠な要素と言えるでしょう。
鉄
鉄分の不足は、疲労の原因となります。
牛肉やほうれん草など様々な食品に含まれていますが、意識して摂らないと標準摂取量までは届きません。
リン・カリウム・ナトリウム
こちらも生体の維持に不可欠な栄養素、ミネラルです。
毎日普通に3食取っていれば、不足することはないと思いますのでコオロギに関してはおまけ程度に考えてもらえればOKです。
その他有効成分
コオロギはそのものが持つ栄養価が評価されていますが、最近はさらにアンチエイジングや糖尿病などの予防につながる抗酸化作用や抗炎症作用(Zielińska, Karaś, Jakubczyk 2017)の効果を持つ成分を保有している可能性があると報告があります。
健康かつアンチエイジング効果の期待もできるということで、さらに注目されているんですね。もちろん、まだまだ研究段階です。
コオロギとその他食品の栄養価比較
上の表はコオロギ粉末・ビーフジャーキー・イワシの煮干し・牛肉・魚の栄養価を比較したものです。
コオロギパウダー(粉末)は乾燥したものなので、ジャーキーと煮干しとも比較してみました。コオロギを生で食べることはない、というかオススメしないので粉末との比較でOKです。
タンパク質のみを比較すると、ジャーキーや煮干しをポリポリ食べるのと同等だということがわかります。
しかし、そうは言ってもなかなか手は出しにくいモノ。どんな方に向いているのかをちょっと解説してみます。
コオロギ粉末はどんな方に向いているか
「周りに虫食べてる人なんかいないよ」と思われるかもしれませんが、実は世界中で20億人が昆虫を食べているというデータがあります。
最近では健康に関する科学的根拠も増え、日本でもデビューする人が多くなりました。
【こんな方に向いている!】
- 筋トレやダイエットをしている方
- 健康志向の方
- スーパーフードに興味がある方
- ベジタリアン
筋トレやダイエットをしている方
すでに取り組んでいる方はご存知だと思いますが、ダイエットや筋トレにおいて高タンパク低脂質(低糖質)の食事を心がけることは重要ですよね。
筋トレするなら(体重×2)gのタンパク質を取れ!とも言われるので、良質なタンパク質を効率的に摂取できるコオロギがぴったりというわけです。
また、先ほどもお話しした通りBCAAを含む必須アミノ酸も豊富なので筋トレ・ダイエットに向いているプロテインになります。
健康志向の方
「できるだけ自然のものを摂りたい!」「栄養価の高いものを摂りたい!」という方にもオススメできるスーパーフードです。市販されているパウダーはコオロギ100%のものが大半で、そのまま料理に使うことができます。
上記の通り、栄養価も抜群なので騙されたと思って昆虫食ライフをはじめてみてはいかがでしょうか?
スーパーフードに興味がある方
単純に興味本位でも全然良いと思います。
今は知名度や心理的デメリットなどの理由で、世間には認知されていないニッチな分野ですが良質なタンパク源&栄養価の豊富な昆虫食の市場はここ10年で大きく拡大すると言われています。コオロギ含め昆虫食は全体的に値段が高めですが、安く買える方法もあります。
→昆虫食が高いのはなぜ?|答え:世界が頑張っているから
またコオロギは飼育が容易で肉変換効率なども高く、環境に非常に優しい食資源であるため、今これに目をつけているあなたはむしろ時代の先駆者で、情報通と捉えることもできますね。
ベジタリアン
ベジタリアンはとても広義なので一概におすすめとは言えないのですが、肉や魚などを意識的に食べない方にとって主なタンパク源は大豆などの植物性です。
無理して食べる必要はありませんが、タンパク源・栄養源として「昆虫食」という選択肢が一つ増えることになります。
加工技術が発達すれば、さらに美味しくなることは間違いないので今後は昆虫は食べられるベジタリアンが増えていくと予想できます。
おすすめのコオロギ食品
①コオロギパウダー
まずは上記でも散々紹介している、粉末タイプです。
コオロギ100%で、スムージーや料理に練りこんで使うのが一般的なようなので、パンを自宅で作る方でしたら「小麦粉の5~10%を代用する」、筋トレをしている方なら「プロテインに適量混ぜて飲む」のがおすすめ。
②コオロギのスナック
話題となったコオロギせんべいの他にも、コオロギパウダー を使ったスナックは意外とたくさんあります。
こちらの商品は、MNHというスナック販売社が出している「未来コオロギスナック」です。栄養食というよりかは昆虫食を広めていく、と言った意味がこもった一品なので興味のある方はぜひ検討してみてください。
→コオロギスナックを紹介した記事【初心者におすすめの昆虫食17選】
③コオロギのクッキー
こちらはコオロギ粉末を使用して作られた大豆クッキーです。お菓子なので食べやすく、値段も約700円と、比較的手が届きやすい商品なので初心者にもとてもオススメです。
TAKEOさん販売の注目商品がAmazonで買えるなんて素晴らしい...。
しっとり食感でクリーミーなおいしいクッキーだった。コオロギの味は正直わかんないけど多分コクとかで仕事してるんだと思う。 pic.twitter.com/Uo7rRIn9HV
— タカマサ (@tkmasher) April 22, 2023
コオロギ粉末はプロテイン代用可能か
最後に「プロテインの代用可能か」について述べておきます。
結論、完全代用は難しいということになりますが、そもそもプロテインの用途は人それぞれでして筋トレなのか美容なのか健康維持なのか、飲むのか食べるのかによって変わってきます。プロテイン自体にもホエイ・ソイ・カゼイン由来など様々な種類があり、タンパク質の質も違いますよね。
粉プロテインを溶かして飲んでる方は、高栄養価の粉コオロギを何%かを加える形になると思います。食事に加えたり合わせたりするだけあれば、代用は可能です。
現在の段階ではまだ安いとも言えず、一度に多く使うこともできないと思いますのであくまで「補う」イメージになるかなと思います。吸収率などに関しては研究段階らしく、言及されていません。今後の昆虫食の発展に期待しましょう。
コオロギの栄養価とその成分まとめ
ここまでを整理すると
・高タンパクで必須栄養素も豊富
→多くの方に向いている
・一部プロテインの代用も可能
・未来を先取るスーパーフード
ということになります。
最近メディアによく取り上げられるようになって、賛否両論見かける昆虫食ですが「昆虫」は昔から今まで、日本を含め世界中で食べられている食材でもあります。
食べるか食べないかは完全に個人の自由です。昆虫食を扱う企業やそれを発信するメディアは「昆虫食を食べろ」と強要もお願いもしていません。
需要と供給のバランスでこれからの市場が決定されて行きます。もちろん、食品として扱われているものは安全性が保証されているので、ご安心ください。