英語で論文紹介や研究発表をするための指図書【初心者/理系向け】
こんにちは、台湾に2度留学経験のある耕平(@HEYinTW)です。
早速ですが、この記事にたどり着いた方はこんな方だと思います。
・今、海外にいて論文紹介を英語で
・学会などで研究発表を英語で
・理系的内容のプレゼンを英語で
やらなきゃいけないのに、やり方がよくわからない!
確実に僕と同じ悩みを抱えていますので、一刻も早く解消しましょう!この記事では僕が参考にした本を中心に英語での研究発表/論文紹介の仕方を見ていきます。
英語で論文紹介/研究発表したい
僕自身、台湾の大学院でセミナーやミーティング(論文紹介)、研究発表をする機会はたくさんありました。一番最初はガチガチに緊張しつつもカンペを見ながらなんとか乗り越えたのですが、絶対にこのままじゃダメだと思いました。
発表し終わっても何か違和感を感じていたのですが、その後に購入したこちらの本が超絶参考になり、同時にショックを受けました。
本のタイトルは「研究発表ですぐに使える理系の英語プレゼンテーション」ですが「英語でプレゼン」する人全般にオススメできる本です。
当時の僕は
- 英語で方法や結果の説明ができない
- 言い回しや繋ぎが不自然
- 難しい英語を読んでるだけ
- 喋り出しすらわからない
そんな状態でおそらく、ネイティブが聞いたら笑うくらいつたない英語で、かつ聴く人に伝わりづらいクソみたいな発表をしていたと思います。
この本には
- 喋り出しから締めの言葉まで
- 便利なフレーズから言い回しが豊富に掲載
- 発表時強弱のつけ方
- 発表向けの話し言葉に変換する方法
など発表における英語の使い方のコツが満載で「そうだったのかぁ!」といかに自分が恥ずかしい発表をしていたか思い知らされる内容で思わず「クゥぅぅ!」と唸ってしまいました。
2回目の発表の機会では、プレゼン資料をこの本を参考に制作し、発表の個人リハーサル時に強弱まで練習。そして迎えた発表の際は、みんなの食いつき度も理解度も違いました。自分でも小慣れ感が出て「英語の言い回しを変えるだけでこんなに変わるのか。1回目と全然違うな。」と思ったのを覚えています。
英語で論文紹介/研究発表をする手順
さて、本題に入ります。
英語で論文紹介/研究発表をする際の手順&コツについてこの本で紹介されていることをほんの少しだけ紹介します。内容としては本のレビューのような感じになると思います。
ぶっちゃけ、この本が優良すぎるので困っていたら迷いなくこの本の購入をオススメします。留学予定のある方は留学前に購入しておくときっと役に立ちますよ。
【この本に書かれていること】
1. 紹介の構成
2. 原稿作成
3. 必須&便利なフレーズ集
4. 実践練習
5. 質疑応答
1. 紹介の構成
当たり前ですが、前に立って発表するので発表/プレゼンの構成は超大切です。英語以前の問題ですね。この本ではなんと、その構成の仕方まで教えてくれます。
イントロダクションから研究方法・結果・考察・結論まで、発表内容のプロットを作成するところから始めましょう。基本中の基本ですが、基盤をしっかりすることで秩序が生まれ、繋ぎが上手になります。中でも、イントロダクションが大事です。
【イントロダクション5つのステップ】
Step1. 何を発表するのか紹介する
Step2. 発表内容のアウトラインを述べる
Step3. 研究分野の重要性、同行、現状、定義などを述べる
Step4. 先行研究の問題点や未解決の問題を提示する
Step5. Step4に対する独自の解決法や対処方法、またはリサーチクエスチョンを提示する引用:研究発表ですぐに使える理系英語の英語プレゼンテーション
これは理系の発表や論文紹介にも限らず、いろんな分野に言えることですね。まずは自分の発表内容を整理してみましょう。
2. 原稿作成
「聴衆に伝わる、わかりやすい英語プレゼンテーション」を実現するため、Spoken Englishを使って原稿を作成する方法が書いてあります。Spoken Englishとは、プレゼン発表する際に聴衆に向けて話す言葉です。
論文の英語と、プレゼンで使う英語の文体は全く違います。
もう一度言います。
論文の英語と、プレゼンの英語は全く違います!
僕も、この本を読むまでは分かっていたつもりでも分かっていなかった事を痛感しました。
「原稿作成」のコツというかターゲットを作者はこのように書いています。
Target1. Spoken Englishの文法的特徴を理解し、簡潔でわかりやすい英文を作成する
Target2. 英語での研究発表にふさわしい表現で話す内容を明確に示し、聴衆にアピールする事を意識して英文を作成する
Target3. イントロダクションで聴衆を惹きつける引用:研究発表ですぐに使える理系英語の英語プレゼンテーション
そして研究紹介で一番大事なパートでありこの本で一番読み返したいパート、「原稿作成」を成功させるメソッドを3つ紹介しています。
Methos1. 「能動態」「人称代名詞の使用」「youを使った表現」「倒置」「What説の主語」を適宜用いた文章を作成する
Method2. プレゼンテーションの各パートでよく使われる英語表現や、シグナル表現、つなぎの表現、強調表現を原稿に取り入れる
Method3. “イントロダクションの5step”に従って、(自分の)研究のイントロダクションを作成する引用:研究発表ですぐに使える理系英語の英語プレゼンテーション
伝わりやすい英語で発表するために、論文口調の英語(Written English)をプレゼン英語(Spoken English)に直す必要があります。Written English主体のプレゼンは聞き手にとって分かりにくいため、シグナル表現豊富なカジュアル構文、Open Styleを使うことが好まれます。
この本ではWritten EnglishをSpoken Englishに書き換えるテクニックをふんだんに教えてくれます。(以下例文にはアレンジを含む)
例1)受動態から能動態に
・This new method was developed (by us).
この新しい方法は(私たちによって)開発されました。
↓
・We (Our team) developed this new method.
私たちがこの新しい方法を開発しました。
例2)主語をI, we, youなどに変える
・It was found in HepG2 cell.
それはHepG2細胞の中で発見されました。
↓
・We found it in HepG2 cell.
私たちはHepG2細胞の中にそれを発見しました。
研究発表の場合は、主語を"I"や"We"に変えればOKですが論文紹介の場合は自分の研究内容ではないので、"They"などに置き換えることで応用できますね。
上記例を合わせた約11個のテクニックの他に、シグナル表現と呼ばれる聴衆をガイドする効果を持つフレーズやつなぎの言葉、強調表現などが具体例付きでたくさん載っています。
例)シグナル表現
・I’m going to talk about~.
・Let me tell you~.
・Now/OK
・In this slide, I’ll show you~.
・Here is (are)~/
・Please look ago the graph.
上記はほんの一例ですがこのように、状況に合わせて発表のスムーズさを演出してくれる表現がいくつも載っているので、自分の原稿にスグ取り入れることが出来ます。
3. 必須&便利なフレーズ集
論文紹介や研究発表をすると言うことは、研究の結果を図や表を説明したりスライドを行ったり来たりもするわけです。さらに
・〇〇の開発に成功しました
・〇〇に応用できることを強調します
・右図をご覧いただくとわかるように
など、発表ならではの表現も満載。
もっと言うなら
・驚くべきことに、X-1阻害剤の使用によってAPP-Tgマウスの認知機能が著しく向上しています。
と言うような構文の英語例文も載っていますので、参考になること間違いなしです。
このように、紹介や発表に使えるフレーズがいくつも載っていますので良い表現を"ヌスんで"活かすことが出来ますね。
4. 実践練習
要らないようで実は大事なのがコレ。「実践練習」のターゲットはこのように書かれています。
Target1. 英語の発音やイントネーションなどの音声要素に注意して、わかりやすく発音する
Taget2. 重要な箇所を強調し、聴衆をひきつける
Target3. 聴衆を見て、堂々とした態度で話す引用:研究発表ですぐに使える理系英語の英語プレゼンテーション
そしてこれを実現させるためのメソッドが
Method1. 単語レベルでの音声要素と文章レベルでの音声要素の両方に注意して発音する
Method2. 重要な点を、音声テクニックや態度で強調する
Method3. アイコンタクト・ボディランゲージを含め、プレゼンテーションでの適切な態度・不適切な態度を理解する引用:研究発表ですぐに使える理系英語の英語プレゼンテーション
英語スピーキングが出来る方はわかると思いますが、発音やイントネーションはめちゃくちゃ大事だし、ボディランゲージができる余裕も欲しいですね。
これは練習しないとなかなかできることじゃありません。実際僕も、『強調すべきところ』『単語のイントネーション』などに気をつけて何度も練習しました。この本は、何から練習すべきかわからない方のための指図書でもあります。
発音やイントネーションに関する例を挙げておきます。
例)
・ánalyzeとanálysis
・Ínnovative
・Techníque etc...
そして絶対的に言えることですが、カタカナ英語はまず通じません。しっかり英単語ひとつひとつの発音とイントネーションを事前に調べましょう。そして文章にもリズムがあります。
この本ではURLから音声ファイル(MP3)をダウンロードして例文を聞くことができるので、強弱をつけるところを学習して自分の発表の文章を読み込みましょう。これに関しては、体得がいちばんの近道です。
その他のコツやテクニックは、ぜひこの本を購入して参考にしてみてください。
5. 質疑応答
最後の章は、質疑応答/受け答えや懇親会で使えるフレーズ集が載っています。
例)
・Could you repeat your question?
もう一度質問を言っていただけますか?
・I can’t say safe for sure, but if you increase XX level, I think it’s possible.
はっきりとは分かりませんが、おそらくXXのレベルを上げれば可能かと思います。
よくある質問に答える時、答えられない時に使えるフレーズが載っていますので、意外と重宝します。
この本の口コミは?
上記で述べた通り、僕は相当参考になりましたが、あくまで僕の意見なのでアマゾンのレビューも少し紹介します。
プレゼンの際の重要なフレーズが豊富で、学習のポイントも掴みやすく、わかりやすい内容です。Q&Aのフレーズも網羅的で、型として取り入れることであるゆる質問に柔軟に対応できるような作りになっていました。
付属の音声データで正しい発音も練習出来るようになっていて、文理問わず一冊あればずっと使えると思います。引用:Amazon
聴衆にきちんと伝えるために、スライドや原稿の作成、スピーチ、質疑応答でどういう工夫をしたらよいかがまとまっている。口頭発表でよく使われるフレーズが、場面ごとにまとめられているため、原稿を作る時に役に立っている。サンプルやフレーズも実際によく使われるものが載っているので、専門分野が違っていても応用しやすいし、Q&Aのフレーズ集には、基本的な質問の聞き返し方から、答えられない時のフレーズまで色々あったので助かる。
引用:Amazon
英語で論文紹介や研究発表をするための指図書まとめ
- 海外にいて論文紹介を英語で
- 学会などで研究発表を英語で
やらなきゃいけない理系そして文系の方にも
- 喋り出しから締めの言葉まで
- 発表向けの話し言葉に変換する方法
- 便利なフレーズから言い回しが豊富
- 発表時の強弱のつけ方
など、基礎から吸収できるので英語で論文紹介・研究発表をする際に「研究発表ですぐに使える理系の英語プレゼンテーション」はあって損はない1冊です。