台湾留学奨学金の申請方法|受かりやすい人とは?【2024最新】
こんにちは、台湾の大学院に通っていた耕平(@HEYinTW)です。
今回は台湾奨学金の申請方法から、留意する点、コツなどをお話します。最後の方で、僕なりの考察をお伝えします。
僕は台湾奨学金をもらいながら台湾の大学院に通っていました。大学を卒業後仕事をして、その間に大学院や奨学金の準備をしていました。
この記事は台湾奨学金について解説しますが、台湾の大学(院)申請&奨学金〜入学までをまとめたロードマップ記事がありますのでぜひ活用ください。
記事最後にもう一度、リンクを貼っておきます。
当時は大変でしたが、その甲斐あって無事合格できたので、その時の経験をシェアしたいと思います。なんせ情報社会のこの世の中、コレに関する情報が少なすぎるんですよね。
きっとお役に立てると思います。
留学時に利用したい台湾奨学金とは
台湾奨学金とは政府が主催している、台湾へ来る留学生向けの完全給付型奨学金制度のことです。
教育部、外交部、科技部それぞれが独立して主催しています。
一覧がありましたので詳しくはそちらへ。
そして教育部の奨学金には、2種類あります。教育部華語文奨学金と教育部台湾奨学金です。
教育部華語文奨学金:語学学校へ入学する人向け
教育部台湾奨学金:大学や大学院に入学する人向け
教育部華語文奨学金
先述した通り、台湾の語学学校へ通う方に向けた奨学金制度です。
語学学習者にも奨学金がもらえるチャンスがあるって、さすが台湾の教育部!って感じですね。
申請期間:2月1日〜3月31日(2024年度)
給付額:月額25,000元(学費は自費)※HP引用
となっています。
調べたところ、語学学校の学費は3ヶ月で約10万ほどかかるそうなので、その分は自腹だということ。いやしかし、生活費で月25,000元(2023.11 時点レートで約11万円)って、政府太っ腹すぎる!!
18歳以上で高校卒業以上、台湾籍を有していない日本人であれば誰にでもチャンスはあります。しかし、倍率も高く、レベルも高いと聞いています。しっかりと書類は準備しなくちゃいけないですね。
僕はこちらではなく、正規生向けの台湾奨学金に応募していたので、詳しくは省きます。
教育部台湾奨学金
さて、台湾奨学金とは先述の通り、台湾の大学や大学院に正規生として進学する人に向けた奨学金制度です。こちらは詳しく説明してゆきます。
申請期間
2024年 2月1日〜3月29日
華語文奨学金と同じく、毎年約2ヶ月間が申請期間です。
後述しますが、この期間になってから準備をしていては遅いので、前もって準備をしておきましょう。
受給期間
学部:学費及び雑費:1学期40,000元以內
生活費:月額15,000元修士・博士課程:学費及び雑費:1学期40,000元以內
生活費:月額20,000元※HP引用
華語文奨学金とは違い、いずれも学費はもらえますが月々の生活費は少し下がります。
気をつけなければいけないのは、1年(2学期)ごとに成績による審査が行われるということです。申請が通ったら、入学1年目は保証するけど2年目は1年目の成績をもとに判断するよ、ということです。大学部は合計70点以上、大学院は80点以上必要です。
実際にもらえなくなった例もあるみたいなので、油断は禁物です。ある程度努力はしなきゃいけません。
でも受かって努力をすれば学部生で1,040,000台湾元(2024.01 時点レートで約470万円)、修士で640,000台湾元(2024.01 時点レートで約290万円)ほどいただけるというのはなんともありがたいことです。
ちなみに、留年しても余分にはもらえません。
台湾教育部奨学金合格までの流れ
4月下旬 一次書類選考合格通知
5月下旬 二次面接
6月上旬~中旬 合格通知
僕の場合はこんな感じでした。
書類選考不合格の際にも郵便で通知は届くと思います。
毎日ポストを確認するのが怖くて怖くて…
台湾教育部奨学金申請に必要な書類
【申請に必要な書類】
1. 奨学金申請書
2. 奨学金承諾書
3. 学習計画書
4. 学校に入学申請した書類
5. 最終学歴の成績証明書(英訳付)
6. 最終学歴の卒業証明書or在学証明書(英訳付)
7. 推薦状2通
8. 語学力証明書
9. パスポートのコピー
10. 封筒3枚
上記が公式HPにも記載されている必要書類の全てです。
1. 奨学金申請書
HPからダウンロードできます。複雑ではないですがめんどくさいです。
なんか小さい枠に学習計画みたいなのを書く欄がありましたが、別途計画書を提出するので簡潔に書けばいいと思います。何を書いたかは忘れちゃいました笑
あと、入学希望する大学と学部を書く欄がありました。複数校申請する方はどちらも書けばいいと思います。
2. 奨学金承諾書
こちらもHPからダウンロードしてください。署名するだけですね。
3. 学習計画書
一番骨の折れる作業です。
学部生にとっては「学習計画」ですが院生にとっては「研究計画」ですね。HPに記載してあった内容です。
教育部台湾奨学金の非英語コースに申請する者:
・華語文の「研究計画書」
教育部台湾奨学金の全英語コースに申請する者:
・日本語の研究計画書
・英語の研究計画書
・申請した大学が発行したその学科(または研究科)が「全英語コース」であることを証明できる書類
書式:A4 横書きワ-プロ
字数:3,000 字程度を標準とする※HP引用
僕は非英語コースだったので全て中国語で書きました。もちろんネイティブの友達にチェックもしてもらいました。
大学や大学院の申請と同時期だと思いますので、一緒に用意すると良いでしょう。書き方の手順やコツなどを別記事にまとめました。
4. 台湾の大学に入学申請した書類
大学院の申請はオンラインなので、申請したことがわかる画面を印刷すれば良いでしょう。
僕の場合はもう大学院への申請が終わっていて、どこを印刷すればいいか分からなかったのですが、一応システムを開いた最初の画面を印刷して送りました。
結果大丈夫だったので、ここはそんなに心配せずにせっせと用意しちゃいましょう。
5. 最終学歴の卒業証明書
最終出身校の卒業証明書、修了証明書又は在学証明書の写し(認証された英語の訳文を添付したもの)
※HP引用
卒業してしばらく経つ方は学校のHPを見て、メールなのか郵便なのか、はたまたオンライン申請で良いのか確認しましょう。
英文は時間がかかると言われたので、2週間ぐらいかかった記憶があります。
早めに用意しておきましょう。
6. 最終学歴の成績証明書
最終出身校(高校或いは大学)全学年日本語成績証明書の写し(認証された英語の訳文を添付したもの、GPA 成績がある者は GPA 成績を提出する)
※HP引用
全学年分が必要です。抜かりなく。
認証された英語の訳文とは
さて、上記2つの証明書に共通する認証された英語の訳文とは何でしょうか。
上記の証明書(最終学歴の卒業証明書&成績証明書)2種類については、台北駐日経済文化代表処というところで文書証明をしてもらう必要があります。これをしないと他がどれだけ完璧でも不合格となります。
台北駐日経済文化代表処とは
台北駐日経済文化経済処は台湾の大使館的な立ち位置で、ビザ関係手続き等もここで行います。現在日本には5箇所あるのですが、各代表処で管轄の県が決まっています。必ず確認してください。
そして、平日の決まった時間にしかやっていません。しかも、書類の即日発行は料金5割増しという処遇。
※詳しくはHP参照(台北駐日経済文化代表処 文書証明について)
僕が当時いた福井県は大阪の代表処が管轄でした。地方勢には辛い処遇です。学校やら会社やらを休まなきゃいけないですからね。
しっかり認証をもらってきてください。
7. 推薦状2通
推薦状:
様式自由
推薦者二人、各人1通。計2通
原則的に中国語で作成してください。その他の言語は日本語あるいは英語に限ります。
推薦者の資格:
出身校の校長または指導教授、担当の先生
卒業して3年以上経った者は、出身校の校長、指導教授、 担当の先生、職場の上司若しくは適切な者※HP引用
原則的に中国語とありますが、中国語ができる人の方が珍しいので日本語か英語で全然問題ないと思います。大学申請の際にも必要ですので、先生などにお願いして同時に準備してしまいましょう。
他の記事でも書いてますが、英語でも日本語でも推薦状を先生らに丸投げするのは厳しいです。もちろん書いてくださる先生もいらっしゃると思いますが、特に大学の先生などにお願いするときなどはまず自分で1~9まで仕上げて、確認とサインをお願いするようにしましょう。
数ヶ月の付き合いで「長所たっぷり1ページ書いてください!」
なんて、僕が先生だったら頭抱えます笑
8. 語学力証明書
教育部台湾奨学金の申請者は、英語コース以外の場合、
進階級、あるいは同レベル以上(聴解と読解)の証明書か成績書の写し
(華語文能力の証明は、TOCFL のみ承認する。その他の言語証明は採用しない)※HP引用
非英語課程に進学予定の方は、TOCFLの進階級(Level3)以上の証明書のコピーが必要です。その他HSKや中国語検定の証明書ではダメです。
TOCFLとは台湾が独自に行っている繁体字の華語文能力試験です。
高ければ高いほど合格率が高いとかは、特にないと思います。
英語コースを申請する場合、TOCFL の成績証明は不要。
但し、 英語能力の試験成績証明書(リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング能力を含む)の写しを提出しなければならない※HP引用
全英語課程に進学予定の方は、TOEICやTOEFLなどの英語能力の証明書が必要です。何点以上必要かは明確には表記されていないので、一番点が高かった時の結果を送るといいと思います。
9. パスポートのコピー
大きな問題はないですね。
期限が切れていたり、切れそうな場合は前もって新調しておいてください。更新の手続きも数日〜数週間かかってしまうと思います。
結婚などで姓が変わったという方は、それを記載した欄も一緒に提出しましょう。
パスポート記載の英名表記と、卒業・成績証明書の英名表記が一致していないと、領事館での書類認証や審査の際に支障をきたすことがあります。
実際僕はこれで無駄な手間が増えたので、学校に証明書をもらう際は気をつけましょう。
10. 封筒3枚
選考結果通知用封筒(長形3号封筒に392円切手を貼り、表に各自の宛名と住所等を記入したもの)
※HP引用
あちらから、通知を送る際に使う返信用封筒ですね。これだけで1500円ほどかかります笑
台湾奨学金書類 準備のコツ
必要な書類はたかが10種、されど10種。
申請が始まる前から準備をすることを強くお勧めします。
※TOCFLや英語能力試験は半年以上前に受けて、証明書を用意しておきましょう。
・申請期間の数ヶ月前
1. パスポートの更新
2. 学校等の先生に連絡を取り、推薦状の話を通しておく
・申請期間1~2ヶ月前
3.研究計画書と推薦状の構成推敲
4.(卒業した)学校に成績証明書と卒業証明書、各原文と英文を頼んでおく
5.その書類を認証しにいく
・申請期間
6.申請書と承諾書のダウンロード
7.クリアファイルの準備
8.必要書類をリストアップし、推薦状と計画書以外を順次クリアファイルに閉じていく
9.研究計画書および推薦状の完成
10.(頼れる方がいれば)ネイティブチェックをしてもらう
11.書類の最終確認、提出
僕の場合はこんな感じでした。もちろんもっと早めにやるに越したことはないです。
大学・大学院の申請書類とほとんど同じなので、問題ないかなと思います。
最後、封筒に入れる際は防水のためにクリアファイルごと閉じることをおすすめします。
二次面接
一次書類審査が通ったら、4月下旬ごろに通知がくると思います。
合格の場合は、5月○日に東京まで面接に来るように指示されます。金曜日なのでなんとか休みを取って行きましょう。僕はきちんとスーツで行きました。面接は全て中国語で行われました。色々準備して行きましたが、ぶっちゃけあまり役には立ちませんでした笑
ツイッターで先輩方から「お喋りだよー」と聞いていたので大丈夫かな、とは思っていましたが質問が結構真面目で「あなたが行く事によって日台間にどのような貢献がありますか」的なことを聞かれました。
なんとか捻り出しましたが、総合的にやはり内容はあまり関係ないのかなと感じました。
台湾教育部奨学金に受かりやすい人とは
受かる人はズバリ、一次選考の書類が上手く書けている人だと思います。(追記:2020年度はコロナウイルスの影響で面接が免除されたそうです。つまり100%書類選考!)
面接会場で最初に受付した時、名簿にあった名前が予定募集人数+αくらいでした。そして何人かは辞退することを考えるとほとんど合格してもおかしくないのです。
つまり、面接では主に会話できる程度の語学力と、やる気や誠実さを見ていて、ほとんどは一次選考の段階で決まる可能性が高いです。
研究計画書や推薦状が大切だということですね。このブログでは他の書類の書き方なども載せているのでぜひ参考にして見て下さい。
合格者は後に交流会があるのですが、やはり文系が多く理系の学部に進学する人が少ないんですよね。台湾に限らず、留学しようとしてる人ってやっぱり文系の方が多いじゃないですか。
もしあなたが政府側の人間で採用する立場だったら「いろんな分野の人材を選びたい。」そう思うんじゃないでしょうか。理系学部申請者の採用倍率はもしかしたら、文系学部申請者の採用倍率より低いかもしれません。
合格通知
6月に入って間も無くすると、またまた通知が届きます。
合格の場合は通知とともに交流会の案内、そして大学の入学許可証を6月下旬までに送ってくれという趣旨が書かれていました。
学校によっては入学許可証を渡してくれない、もしくは遅いところもあります。そういう時はまず、学校に問い合わせてみましょう。メールに、「台湾奨学金の受領予定者です。入学許可証を早めにもらえませんか」と書けば理解してくれます。
それでも遅れるようでしたら、奨学金の事務所に問い合わせましょう。僕も入学許可証が届かないことを伝えたら、問題ないとお返事いただきました。
そして交流会も無事終えて、いろんな方に知り合えた良い機会でした。ちなみに僕はカジュアルすぎない服装で参加しました。
台湾奨学金の申請方法まとめ
いかがでしたでしょうか。奨学金制度は、実は探せばたくさんあります。
各大学にある留学生向けの奨学金の他に、ロータリークラブや日台交流協会などが主催するものもあります。
記事最初でもお話ししましたが、台湾大学(院)申請&奨学金〜入学についてとことん紹介したロードマップ記事を作成しましたので、ぜひご活用ください。
ちなみに、台湾奨学金の受領者は学校から優遇されます笑
僕が入学した当初、学校に台湾奨学金の受領者であることを伝えたら、君か!みたいな感じで対応がめっちゃ丁寧になりました。
なるほど、政府のお墨付きってことですからね。頂くからには、品行方正に努めることが僕らの役割です。どれも情報量が少なく、準備が大変だと思いますが裏を返せば受かりやすいということになります。
大事なのは行動です!情報を掴んで行動できるヤツが、どの時代どこにいても強いんです!!